文庫に関するサイトを見ると、新たな発見がけっこうありました。
今だと天を化粧裁ちしてある文庫本もかなり見かけます。でも昔は、天は不揃いになっているものばかりでした。で、文庫本は安く売る必要があるから、経費節約のために天の化粧断ちを省いているのだとばかり思っていました。でも、岩波文庫のサイトを見ると、創刊時におしゃれのためにああしたのだそうです。ほかの文庫もそれに倣ったんでしょうね。
新潮文庫はここしばらく買ったことがなかったので気付かなかったのですが、ほかの文庫では省かれるようになった紐のしおり(スピンと言うそうです)が新潮文庫にだけは残っていると新潮文庫のささやかな秘密にありました。しかも、あのしおりをつける経費が一本10円もしていたとは驚き。でも、もっと驚きなのは、新潮社にはあの紐のしおりを廃止しないようにという要望が多く寄せられてるということです。
本は寝転がって読むことがけっこうあります。その際、中から紐のしおりがだらんと垂れ下がってきたりしてうっとうしいので、私はあの紐が大嫌いです。たいてい、文庫本には新刊案内みたいなチラシがはさまれていますから、その紙をしおりとして利用すれば充分。紙に紐の形のへこみが出来るし、時には色が移ったりすることもあるし、ハードカバーの本でも紐はありがた迷惑なだけです。あの紐のしおりが好きな人はどんな点をお好みなんでしょうね。
このページの記事一覧
先日までは緑色だった桑の実が、赤く色づくようになってきました。童謡では、山の畑の桑の実を小籠に摘んだそうですから、食べられるんでしょうね。口にすれば甘そうにも見えまするが、毛がいっぱい生えていて、ちょっと食べる気にはなりません。
もうしばらくするともっと暗く赤く色づきますが、トリもあまり食べないようです。 なので、この木の下の地面に実が落ちているのをよく見かけるようになります。ちょうど並んで植わっている寒桜の落とす暗赤色のサクランボとこの桑の実と、人に踏まれて道路の染みになってしまうのが悲しい。
昔はおカイコさんを飼っていたという話を、定期的に往診している農家のご高齢の患者さんたちからはよく聞きます。桑畑がいちめんに拡がっていたのだそうです。また、世間的には新暦の8月15日頃がお盆ですが、こと地域ではおカイコさんの世話の忙しい時期とお盆が重ならないようにするために、お盆の行事を7月末ごろにしていたとも聞きました。今でも、7月末のお盆の風習は残っています。
それほどに養蚕がさかんだったわけですが、現在では桑の木をほとんどみかけません。この谷保駅のホームの外側の木と、他には2カ所くらいしか生えてる場所を知りません。みんな伐られて宅地になったのでしょうね。
いま時分はバラの他にもたくさんの花が見られます。自宅に花を植えたりなどしてはいないのですが、植物を見るのは好きなので、通勤に歩くのも楽しい頃です。ふだんは全く気付かないのに、この季節にだけは目立っている植物も少なくありません。
そんな花々の中でも、ぼーっと歩いていてもその存在をアピールしてくれるのがジャスミンです。ジャスミンは、花自体はそれほど目立つわけではありませんが、香りでかなり遠くからも気づき、どこに花があるのかなと探してしまいます。
花屋さんでは小さな鉢植えにして売っていることが多いと思います。なので、小さな植物なのかなと思っていたのですが、あるお宅の生け垣のジャスミンは、電柱にまきついて私の背丈よりはるか上の方まで伸びていました。かなり大きくなるつる植物なんですね。
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韓国国防軍史研究所編 かや書房
本体2500円 2000年9月発行
韓国で1960-70年代に11巻本の全集として発行された朝鮮戦争戦史に、その後の新資料を加えて一般向けに3巻本として出版されたものが元本です。朝鮮戦争勃発50周年にあわせて、日本では6分冊で出版されたものの1冊目です。副題に、人民軍の南侵と国連軍の遅滞作戦、とついています。
第一章は戦争の背景と銘打って、朝鮮の開国から日本統治、日本の敗戦から南北分断後の事情を説明しています。北側はソ連からの武器援助と、国共内戦に参戦した経験のある軍人の帰国とで軍備を充実させることが出来ました。それに対して南側は、北への侵攻を危惧するアメリカの意向により戦車や有効な対戦車兵器などを所有することができず、また南領内での反乱鎮圧などにも力をそそがなければならず、装備だけでなく訓練も不十分なままだったそうです。
韓国軍は1949年のうちに北からの南侵戦争を予想していました。特にそれが切迫していると思われた1950年の4月以降は、警戒態勢をとる日々が2ヶ月弱続きました。しかし、本当の侵攻がなかったので、警戒態勢を解き、兵士に休暇が与えられたタイミングで、奇襲を受けることになりました。本書にいう通り、計画された南侵戦争だったことを疑う人はいまではいないでしょうね。
その後は、ソウルの失陥から、遅滞戦闘を行いながら後退せざるを得なかった事情が、各地域ごとに説明されています。そういった記述自体には、特に新たな発見を感じさせる本ではありませんでした。
また、記載が不十分と感じるところもありました。たとえば、南侵奇襲され38度線の防衛戦が突破された際に、漢江の北側にあるソウルの防衛を放棄して、漢江の南側で防衛戦を行おうという意見が韓国軍内にはあったそうです。しかし開戦時の韓国軍参謀総長だった蔡秉徳少将は、それに反対してソウル防衛のために兵力の逐次投入を行い、結果として6月28日にはソウル失陥と、ソウル市内の装備の大量喪失を招きました。その後、読み進めると7月3日の項では参謀総長が丁一権少将になっています。蔡秉徳少将は責任とって辞任したのかそれとも解任されたのかなのでしょうが、その事情が一切書かれていないのは、非常に不自然に感じられました。
巻頭の、「日本語版の発刊によせて」はあの白善燁大将が書いています。そこには、「いまの日本のとくに若い方々には、国土が戦場になることはどのようなことか、また同族相争う戦いの悲劇とはどのようなことか理解できないかも知れない」と書かれていて、本当にその通りだと思います。
軍隊のことはおいといて、敵の軍隊が迫ってきた時に南に逃がれようとした人々はどうやって逃げそしてどうなったのか、戦場・占領地に暮らすことになった人たちは毎日どうやって食料・日常必需品を手に入れていたのか、仕事や収入源はどうしていたのか、などなどが私の知りたいことでした。自国内のでの戦争の際には、これらはとても切実な問題だと思うし、こういった点で国民を保護するのが軍隊の役目だとは思うのですが、これらについてはほとんど何も語ってくれてない本でした。
中山雅洋著 大日本絵画
本体4500円 2008年4月発行
1月に読んだ中国的天空の下巻として出版されました。フライングタイガースの名前は有名なので知っていましたが、実態がどんなものか知らなかったので、読んでみました。
上巻は零戦の搭乗で中国空軍が壊滅状態になったところで終わっていました。その対策として、蒋介石はアメリカで傭兵を募ることをシェンノート(陳納徳)に依頼しました。これがフライングタイガース(飛虎隊)です。 彼ら自身はAVG(American Volunteer Group)と呼称していたそうです。1940年10月に編成が開始され、1941年12月のビルマ戦から戦闘に従事したそうです。
陳納徳はP-40という戦闘機の特性を活かして、格闘戦ではなく2機でロッテを組み一撃離脱戦法を徹底するように指導しました。この結果、フライングタイガースは中国で赫々たる戦果を挙げたと喧伝されていますが、実態としては日本陸軍航空隊といい勝負だったようです。
AVGは1942年7月には解散してアメリカ空軍が派遣され、またインドで養成された中国人飛行士をもとにした中国空軍が復活して、その後の空の戦いを続けました。そして、1943年には中国戦線でも航空戦で日本が不利になり、敗戦に。
敗戦後に中国に残って医療活動に従事した医師や看護婦のことは、身近に体験者がいるので知っていましたが、満州にいた航空部隊が1946年春から紅軍の航空部隊の創設に従事したエピソードもあったそうで、興味深く読めました。どちらの活動に従事した人の中にも日中友好協会に参加している人がいるなど、帰国後の対中感情は悪くないようです。
この点、シベリア抑留とは対照的で、中国の人は人材活用法をよくわきまえているというべきなのでしょうね。今、日本にも外国から働きに来ている人がたくさんいます。住み着くつもりの人は別として、出稼ぎの人が帰国した後に日本を好きになってくれるかというと、なかなか難しいと思われ、この点では中国の人に学ぶ点がありそうです。
著者はパイロットの資格を持つ医師だそうです。この本を書くには日米中の史料あさりと、読みこなしてまとめる膨大な作業が必要だったろうと思います。本業の傍ら、こういった労作をまとめる努力には本当に感心します。
- 文庫本の天と紐
- 岩波文庫のグラシン紙の劣化
- 酸性紙の変色
- 『印刷雑誌』とその時代
- クワの実
- フードプロセッサの刃でケガ
- テスコム TK4000
- MS Officeのアップデート
- マイバッグ
- 5月のレイノー現象
- ジャスミン
- バラが咲いた
- 祝日のゴミの収集
- 韓国戦争 第一巻
- 中国的天空 下
- 専門書のお値段
2008年5月31日土曜日
2008年5月29日木曜日
岩波文庫のグラシン紙の劣化
昨日書いたように、我が家には本文用紙が読むに耐えなくなるほど劣化した本は見あたらなかったのですが、ぼろぼろになってしまっている紙がないわけではありませんでした。劣化が著しいのはグラシン紙です。きっと、グラシン紙は酸性紙なんですよね。
最近ではみかけませんが、プレーンなボール紙の箱入りの専門書にグラシン紙のカバーがかかっているパターンが昔は多かったと思います。そういった箱入りの本のグラシン紙は、本を出し入れする際に破れてしまうことが多く、捨ててしまうことがほとんどでした。箱に入れてあるのに、さらにグラシン紙のカバーで保護する理由って何だったんでしょう。
あと、グラシン紙は岩波文庫のカバーに使われていました。というか、昔の岩波文庫はグラシン紙のカバーと価格表示の星印が特徴だったと思います。グラシン紙のカバーをやめたのは、カラフルなカバーをつけて店頭で目立たせる理由もあったのでしょう。でも、グラシン紙はすごいスピードで茶色く劣化して見た目が良くないし、こんな風に触れるとパリパリ破損してしまうからってこともあったんでしょうね。
最近ではみかけませんが、プレーンなボール紙の箱入りの専門書にグラシン紙のカバーがかかっているパターンが昔は多かったと思います。そういった箱入りの本のグラシン紙は、本を出し入れする際に破れてしまうことが多く、捨ててしまうことがほとんどでした。箱に入れてあるのに、さらにグラシン紙のカバーで保護する理由って何だったんでしょう。
あと、グラシン紙は岩波文庫のカバーに使われていました。というか、昔の岩波文庫はグラシン紙のカバーと価格表示の星印が特徴だったと思います。グラシン紙のカバーをやめたのは、カラフルなカバーをつけて店頭で目立たせる理由もあったのでしょう。でも、グラシン紙はすごいスピードで茶色く劣化して見た目が良くないし、こんな風に触れるとパリパリ破損してしまうからってこともあったんでしょうね。
2008年5月28日水曜日
酸性紙の変色
印刷雑誌とその時代を読んでいて思ったのですが、酸性紙・中性紙に関する記事はピックアップされていませんでした。酸性紙問題は一般にもかなり有名になりましたから、専門誌に取り上げられなかった筈はないのですが、「印刷」にはあまり関係ないからスルーされたんでしょうか。
学生の頃、卒論の材料にするために大正・昭和戦前期の雑誌を読みあさったことがありました。もともと雑誌にはそれほど良質な紙が使われているわけではないためもあるのでしょうが、どれもページ全体が茶色く変色していました。ページをめくると端の方から紙がぱりぱり折れてしまう感じで、これでは読めなくなる時期もそう遠いことではないなと感じたものです。
ああいった本の対策を、図書館はきちんとしているんでしょうか。放置されてたら今頃は、興味ある研究者が古い雑誌を手にとっても読めなくなっていそう。あれからもう20年以上経過しているので、心配ではあります。
昔は新品の本の紙ってとても白かったと思うのですが、中性紙が使われ出した頃から、ごく薄く黄色みがかった紙に変化したような気がします。一時は中性紙使用などと奥付の上に表示されていたこともあったかと思いますが、今では特にそういう表示は見かけなくなりました。でも、現在売られているハードカバーの本の紙はほとんどが薄いクリーム色なので、中性紙に印刷されているのでしょう。
学生の頃は引っ越しの都度、本の多くを処分していたので、あまり昔の本は残っていないのですが、いつ頃までの本に変色が多いのかチェックしてみました。1990年代以降の発行のものは、概ね変化なしです。もうみんな中性紙なんでしょう。
しかし、1980年代発行のものはページの周囲がうっすら茶色くなり始めているものと、ほとんど変化のないものとが混在しています。 これは、1980年10月発行の岩波新書ですが、本の周辺が変色しています。しおりは、発売時にこの新書に挟み込まれていたものですが、本文用紙と比較すると白さが際だっているので、中性紙なんでしょうか。
変色しているかどうかは、出版社ごとに違うというわけではないようです。同じ岩波書店の1980年代発行の本でも、ハードカバーの方が変色してなかった感じでした。
また、うちの書棚にも大正や昭和戦前期に発行された本もわずかながらありますが、それらすべての本に著しい変色がみられるというわけではありません。特に、アート紙の本など、染みはあってもページの周辺から変色してくる様子はほとんどみられませんでした。
変化が見られる本でも空気と接触するページの周囲の方の変色だけで、冒頭にあげた雑誌のように紙がぼろぼろになるようなものは我が家には一冊もありませんでした。図書館と違って、我が家の本は私が生きている間だけ保ってくれればいので、まあ特に対処はしなくても大丈夫のようです。
学生の頃、卒論の材料にするために大正・昭和戦前期の雑誌を読みあさったことがありました。もともと雑誌にはそれほど良質な紙が使われているわけではないためもあるのでしょうが、どれもページ全体が茶色く変色していました。ページをめくると端の方から紙がぱりぱり折れてしまう感じで、これでは読めなくなる時期もそう遠いことではないなと感じたものです。
ああいった本の対策を、図書館はきちんとしているんでしょうか。放置されてたら今頃は、興味ある研究者が古い雑誌を手にとっても読めなくなっていそう。あれからもう20年以上経過しているので、心配ではあります。
昔は新品の本の紙ってとても白かったと思うのですが、中性紙が使われ出した頃から、ごく薄く黄色みがかった紙に変化したような気がします。一時は中性紙使用などと奥付の上に表示されていたこともあったかと思いますが、今では特にそういう表示は見かけなくなりました。でも、現在売られているハードカバーの本の紙はほとんどが薄いクリーム色なので、中性紙に印刷されているのでしょう。
学生の頃は引っ越しの都度、本の多くを処分していたので、あまり昔の本は残っていないのですが、いつ頃までの本に変色が多いのかチェックしてみました。1990年代以降の発行のものは、概ね変化なしです。もうみんな中性紙なんでしょう。
しかし、1980年代発行のものはページの周囲がうっすら茶色くなり始めているものと、ほとんど変化のないものとが混在しています。 これは、1980年10月発行の岩波新書ですが、本の周辺が変色しています。しおりは、発売時にこの新書に挟み込まれていたものですが、本文用紙と比較すると白さが際だっているので、中性紙なんでしょうか。
変色しているかどうかは、出版社ごとに違うというわけではないようです。同じ岩波書店の1980年代発行の本でも、ハードカバーの方が変色してなかった感じでした。
また、うちの書棚にも大正や昭和戦前期に発行された本もわずかながらありますが、それらすべての本に著しい変色がみられるというわけではありません。特に、アート紙の本など、染みはあってもページの周辺から変色してくる様子はほとんどみられませんでした。
変化が見られる本でも空気と接触するページの周囲の方の変色だけで、冒頭にあげた雑誌のように紙がぼろぼろになるようなものは我が家には一冊もありませんでした。図書館と違って、我が家の本は私が生きている間だけ保ってくれればいので、まあ特に対処はしなくても大丈夫のようです。
2008年5月26日月曜日
『印刷雑誌』とその時代
『印刷雑誌』とその時代
印刷学会出版部編集
株式会社印刷学会出版部
本体8600円
実況・印刷の近現代史というサブタイトルがついています。印刷雑誌というのは、明治24年から続く印刷業界の雑誌です。業界誌とはいっても、かなり啓蒙・学術的な色彩も強いもののようで、現在では株式会社印刷学会出版部から発行されています。
本書は800ページ以上の大冊です。初めの170ページは第一部近代印刷史歴覧にあてられ、文字通り近代日本の印刷の歴史が、印刷技術、カラー印刷、デザイン、組版、タイポグラフィーにわけて解説されています。また、第二部は印刷雑誌記事集成ということで、600ページ以上にわたって明治時代から21世紀までの記事のピックアップが収録されています。監修者が6人もいるのは、さすがに学会の発行物らしく、ご愛敬。
第二部には印刷技術の解説記事がたくさんありました。印刷機の解説記事は現在に近くなるほど、素人の私には理解が難しい感じです、しかし、明治から戦前の機械や技術は比較的単純で、それらに関する記事はとても分かりやすく勉強になりました。
また、時代を遡るほど、ヨーロッパやアメリカとの印刷技術やデザインの格差に触れる記事が多かった様な気がします。専門家からみると格差は歴然だったでしょうから、こういう技術者の中には、アメリカとの戦争が始まった際に敗戦を予期した人が少なくなかったのではと思わされます。しかし、物言えば唇寒しという世情から、戦時中の記事は精神論的でした。
あと、本筋からは外れますが、戦争中の話として陸軍の登戸研究所で中国重慶政府の紙幣の偽札作りに実際に携わった人の手記が載っています。「重慶側も日本が偽造しているのは分かっていたが、真偽の判定ができず、放置するよりほかに方法がなかったようである」など興味深く読みました。ただ、この手記自体は21世紀になって書かれたものです。敗戦後も機密保持を求められたのでしょうが、墓場まで秘密を持って行かずにきちんと明かしてくれた手記の筆者には感謝です。
現在に近くなる第六章バブル経済と失われた十年、第七章IT時代の印刷には、MacやDTPに関する記事がかなり多くなっています。しかも、この二つの章が扱う27年間でハード・ソフトともに大幅に進歩しました。でも、「日本語組版には厳格なルールは存在しない」などという記事があるので、問題点は残っているのですね、
珍しいことですが、この本の奥付には1800部と発行部数が示されていました。この発行部数はかなり少ない感じがするので、基本的には業界関係者向けに出版されたものなのでしょう。たまたまジュンク堂池袋店の書棚で見かけて、面白そうだったので買ってしまいましたが、全然畑違いの素人で買ってる人は少なそう。ジュンク堂は遠いけれど、こういう珍しい本に出会えることがあるので、ときどきは出かけることにしています。
印刷学会出版部編集
株式会社印刷学会出版部
本体8600円
実況・印刷の近現代史というサブタイトルがついています。印刷雑誌というのは、明治24年から続く印刷業界の雑誌です。業界誌とはいっても、かなり啓蒙・学術的な色彩も強いもののようで、現在では株式会社印刷学会出版部から発行されています。
本書は800ページ以上の大冊です。初めの170ページは第一部近代印刷史歴覧にあてられ、文字通り近代日本の印刷の歴史が、印刷技術、カラー印刷、デザイン、組版、タイポグラフィーにわけて解説されています。また、第二部は印刷雑誌記事集成ということで、600ページ以上にわたって明治時代から21世紀までの記事のピックアップが収録されています。監修者が6人もいるのは、さすがに学会の発行物らしく、ご愛敬。
第二部には印刷技術の解説記事がたくさんありました。印刷機の解説記事は現在に近くなるほど、素人の私には理解が難しい感じです、しかし、明治から戦前の機械や技術は比較的単純で、それらに関する記事はとても分かりやすく勉強になりました。
また、時代を遡るほど、ヨーロッパやアメリカとの印刷技術やデザインの格差に触れる記事が多かった様な気がします。専門家からみると格差は歴然だったでしょうから、こういう技術者の中には、アメリカとの戦争が始まった際に敗戦を予期した人が少なくなかったのではと思わされます。しかし、物言えば唇寒しという世情から、戦時中の記事は精神論的でした。
あと、本筋からは外れますが、戦争中の話として陸軍の登戸研究所で中国重慶政府の紙幣の偽札作りに実際に携わった人の手記が載っています。「重慶側も日本が偽造しているのは分かっていたが、真偽の判定ができず、放置するよりほかに方法がなかったようである」など興味深く読みました。ただ、この手記自体は21世紀になって書かれたものです。敗戦後も機密保持を求められたのでしょうが、墓場まで秘密を持って行かずにきちんと明かしてくれた手記の筆者には感謝です。
現在に近くなる第六章バブル経済と失われた十年、第七章IT時代の印刷には、MacやDTPに関する記事がかなり多くなっています。しかも、この二つの章が扱う27年間でハード・ソフトともに大幅に進歩しました。でも、「日本語組版には厳格なルールは存在しない」などという記事があるので、問題点は残っているのですね、
珍しいことですが、この本の奥付には1800部と発行部数が示されていました。この発行部数はかなり少ない感じがするので、基本的には業界関係者向けに出版されたものなのでしょう。たまたまジュンク堂池袋店の書棚で見かけて、面白そうだったので買ってしまいましたが、全然畑違いの素人で買ってる人は少なそう。ジュンク堂は遠いけれど、こういう珍しい本に出会えることがあるので、ときどきは出かけることにしています。
2008年5月21日水曜日
クワの実
先日までは緑色だった桑の実が、赤く色づくようになってきました。童謡では、山の畑の桑の実を小籠に摘んだそうですから、食べられるんでしょうね。口にすれば甘そうにも見えまするが、毛がいっぱい生えていて、ちょっと食べる気にはなりません。
もうしばらくするともっと暗く赤く色づきますが、トリもあまり食べないようです。 なので、この木の下の地面に実が落ちているのをよく見かけるようになります。ちょうど並んで植わっている寒桜の落とす暗赤色のサクランボとこの桑の実と、人に踏まれて道路の染みになってしまうのが悲しい。
昔はおカイコさんを飼っていたという話を、定期的に往診している農家のご高齢の患者さんたちからはよく聞きます。桑畑がいちめんに拡がっていたのだそうです。また、世間的には新暦の8月15日頃がお盆ですが、こと地域ではおカイコさんの世話の忙しい時期とお盆が重ならないようにするために、お盆の行事を7月末ごろにしていたとも聞きました。今でも、7月末のお盆の風習は残っています。
それほどに養蚕がさかんだったわけですが、現在では桑の木をほとんどみかけません。この谷保駅のホームの外側の木と、他には2カ所くらいしか生えてる場所を知りません。みんな伐られて宅地になったのでしょうね。
2008年5月19日月曜日
フードプロセッサの刃でケガ
昨日、フードプロセッサのことを書いたのですが、あの後、野菜を刻んでいる途中でケガをしてしまいました。ガラスの容器の中にカットする野菜を入れていたのですが、左の親指の先端が刃に触れてしまったようです。チタンコーティングしてあるせいなのでしょうか、メーカの言う通りとても切れ味するどく、1cmもない傷なのにけっこう出血しました。絆創膏を取りに歩いた経路に血がぽつぽつ落ちていました。
包丁をつかって指にケガをしたことなんて、もう10年以上ないような気がします。新しい道具はやはり気を付けて使わないといけません。指のケガは水仕事に不便ですが、左の親指ってそれだけではなく、ボタンをとめる際に重要なことを認識させられました。
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包丁をつかって指にケガをしたことなんて、もう10年以上ないような気がします。新しい道具はやはり気を付けて使わないといけません。指のケガは水仕事に不便ですが、左の親指ってそれだけではなく、ボタンをとめる際に重要なことを認識させられました。
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2008年5月18日日曜日
テスコム TK4000
これまで存在すら気にかけたことがなかったフードプロセッサなのですが、急に欲しくなってしまいました。近くのビックカメラでいくつか比較してみましたが、おろし刃・みじん切り刃・スライス刃など複数の種類の刃がついていて、容器がガラス製で、値段もお手軽ということで、このTK4000を購入しました。
まずは大根おろし。酸っぱいものが好きなので、たっぷりの大根おろしにタバスコ少量とお酢をどばどばかけて食したりなどします。でも、年のせいか大根おろすと腕が疲れるなと感じてしまうようになり、以前より大根おろしを食べる機会が減っていました。
そこでフードプロセッサの登場です。手でおろす時は皮をむいた大根をそのままおろし金にあててもいいのですが、フードプロセッサの上蓋には挿入口があるので、そこに入れられる程度の大きさに大根を縦割りします。そして押し込むと、あっというまにおろせます。
大根を一本おろすとしても、楽々です。手でおろした大根と多少食感はちがいますが、私的には特に気になりません。また、手でおろした時も大根の手でつまんでいる部分はおろせない訳ですが、フードプロセッサを使うとおろせない部分がかなり大きめなのが、短所でしょうか。でも、おろせなかった部分も食べられますから、あまり問題ではないと感じました。
次に、餃子。基本的に野菜たっぷり、というか野菜だけの餃子をつくるので、包丁だと刻むのが結構たいへんでした。フードプロセッサをつかうと私が包丁で刻むよりももっと細かくしてくれます。この点には感激。
ただ、ニラでも白菜でもそのままではうまく処理してくれないので、ガラスの容器に入る大きさにまで事前に包丁で切る必要があります。ただ、これは適当に小さくすればいいので、大した手間ではありません。
ちょっと面倒に感じるのは一回ごとに処理できる量がそれほど多くはないことです。白菜半分を刻むにも数回に分ける必要があります。業務用ではない家庭用の道具なので、どこのメーカの製品でもこの点はやむを得ないのかも知れません。
野菜たっぷり餃子は、塩をして水を絞らないとぐちゃぐちゃになってしまいがちです。その点、フードプロセッサで切り刻んだ野菜は私が包丁で刻んだものより細かいので、塩しておいた後に水を絞りやすい感じでした。
この機械で改善してほしい点を挙げるとしたら、上蓋のこの写真では右側の部分でしょうか。これは上蓋を下側からみた様子ですが、おろし用の挿入口と上蓋の外周との間に隙間があります。この隙間は狭くて、私だと小指も入らないくらいです。でも、ここは処理している野菜がはさまることがあります。また、洗う際のこともありますから、できれば指が入る程度に広く設計した方が良かったのではないでしょうか。
私の場合、肉を買ってきて食べることがほとんどないし、生クリームをホイップすることもおそらく今後まずないと思うので、野菜を処理する用途にだけつかうことになりそうです。野菜の処理だと刃に繊維が絡まることはあっても、脂が付着することはないので、使った後に洗うのはラクでした。ただ、webを見てると、あの食肉偽装事件に触発されて、自分で挽肉をつくる目的でフードプロセッサを買う人もいるようです。脂ギトギトの刃や容器を洗うのはすこし手間かもですね。
テスコムってほとんど聞いたことのないメーカだったのですが、納得の使い心地でした。税込み7980円のお値段を考えても、満足できる道具だと思います。これからも頻繁につかうことになりそうです。
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まずは大根おろし。酸っぱいものが好きなので、たっぷりの大根おろしにタバスコ少量とお酢をどばどばかけて食したりなどします。でも、年のせいか大根おろすと腕が疲れるなと感じてしまうようになり、以前より大根おろしを食べる機会が減っていました。
そこでフードプロセッサの登場です。手でおろす時は皮をむいた大根をそのままおろし金にあててもいいのですが、フードプロセッサの上蓋には挿入口があるので、そこに入れられる程度の大きさに大根を縦割りします。そして押し込むと、あっというまにおろせます。
大根を一本おろすとしても、楽々です。手でおろした大根と多少食感はちがいますが、私的には特に気になりません。また、手でおろした時も大根の手でつまんでいる部分はおろせない訳ですが、フードプロセッサを使うとおろせない部分がかなり大きめなのが、短所でしょうか。でも、おろせなかった部分も食べられますから、あまり問題ではないと感じました。
次に、餃子。基本的に野菜たっぷり、というか野菜だけの餃子をつくるので、包丁だと刻むのが結構たいへんでした。フードプロセッサをつかうと私が包丁で刻むよりももっと細かくしてくれます。この点には感激。
ただ、ニラでも白菜でもそのままではうまく処理してくれないので、ガラスの容器に入る大きさにまで事前に包丁で切る必要があります。ただ、これは適当に小さくすればいいので、大した手間ではありません。
ちょっと面倒に感じるのは一回ごとに処理できる量がそれほど多くはないことです。白菜半分を刻むにも数回に分ける必要があります。業務用ではない家庭用の道具なので、どこのメーカの製品でもこの点はやむを得ないのかも知れません。
野菜たっぷり餃子は、塩をして水を絞らないとぐちゃぐちゃになってしまいがちです。その点、フードプロセッサで切り刻んだ野菜は私が包丁で刻んだものより細かいので、塩しておいた後に水を絞りやすい感じでした。
この機械で改善してほしい点を挙げるとしたら、上蓋のこの写真では右側の部分でしょうか。これは上蓋を下側からみた様子ですが、おろし用の挿入口と上蓋の外周との間に隙間があります。この隙間は狭くて、私だと小指も入らないくらいです。でも、ここは処理している野菜がはさまることがあります。また、洗う際のこともありますから、できれば指が入る程度に広く設計した方が良かったのではないでしょうか。
私の場合、肉を買ってきて食べることがほとんどないし、生クリームをホイップすることもおそらく今後まずないと思うので、野菜を処理する用途にだけつかうことになりそうです。野菜の処理だと刃に繊維が絡まることはあっても、脂が付着することはないので、使った後に洗うのはラクでした。ただ、webを見てると、あの食肉偽装事件に触発されて、自分で挽肉をつくる目的でフードプロセッサを買う人もいるようです。脂ギトギトの刃や容器を洗うのはすこし手間かもですね。
テスコムってほとんど聞いたことのないメーカだったのですが、納得の使い心地でした。税込み7980円のお値段を考えても、満足できる道具だと思います。これからも頻繁につかうことになりそうです。
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2008年5月17日土曜日
MS Officeのアップデート
今朝は、MS Officeのアップデートがありました。うちのは2008ではなくて、2004のままなのですが、まだきちんとサポートされている様子。オートアップデートは、特にこちらでアップデータをチェックしなくても済むので便利ですね。
でも、MSのオートアップデートはこんな表示のウインドウで終了するだけで、どんな変化があったのかを知らせてくれない点はとても不親切です。Appleのオートアップデートも、内容については教えてくれないので、MSだけの問題ではありませんが。
で、Microsoft Office 2004フォルダの中のUpdater Logsフォルダ覗いてみると、今日ので11.4.2 になったようです。でも、どんな内容なのかはやはり不明。仕方がないので、Mactopia Japanの Office 2004のところでダウンロードのところをチェックしてみるとまだ11.4.1までしか記載がありません。MS、仕事が遅い。
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でも、MSのオートアップデートはこんな表示のウインドウで終了するだけで、どんな変化があったのかを知らせてくれない点はとても不親切です。Appleのオートアップデートも、内容については教えてくれないので、MSだけの問題ではありませんが。
で、Microsoft Office 2004フォルダの中のUpdater Logsフォルダ覗いてみると、今日ので11.4.2 になったようです。でも、どんな内容なのかはやはり不明。仕方がないので、Mactopia Japanの Office 2004のところでダウンロードのところをチェックしてみるとまだ11.4.1までしか記載がありません。MS、仕事が遅い。
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2008年5月15日木曜日
マイバッグ
買い物の際に自分の買い物袋を持参する人が多くなってきています。以前は大きめのショルダーバッグを持つようにして、買い物したらそれに入れるようにしていました。でも、MacBook Proを手に入れて持ち運ぶようになると、以前のバッグでは大きさが不十分なのでした。
MacBook Pro用にショルダーバッグを用意しました。これは大きさはかなりのものなのですが、マチに余裕がないので、ショッピングバッグとしては使えません。なので、携帯用のショッピングバッグを使うことにしました。
国立市内だと、紀伊國屋さんや三浦屋さんのバッグをショッピングバッグとして利用している人をたくさん見かけます。でも、自分としてはいろいろなお店に行くので、特定のお店の名前入りのバッグはちょっと敬遠したいところ。無地で目立たない感じのものをということで、無印良品で「買物ポケッタブル・小」のカーキ色を税込み525円で買ってみました。
半年ほどこれを使ってみましたが、なかなかいいです。折りたたむと、お札やコインが少し多めに入ったお財布くらいの大きさで、ショルダーバッグの中にしのばせておく分には、邪魔になりません。でも、拡げるとかなりの量が入ります。大根の葉っぱははみ出てしまいますが、蕪の葉っぱならちょうど隠れるくらいの深さです。また、たくさん買って重くなっても、スーパーのレジ袋より手で持つところが幅広くつくってあるので、手に食い込まずいい感じです。
通勤の途中には、採れた野菜を直売している野菜畑がいくつかあります。泥付きの蕪や大根なんかを買って帰ることも多いのですが、このバッグの一番いいところは、泥で汚れても水洗いができるところです。ナイロン製で干しとけばすぐに乾くし、とても重宝しています。
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MacBook Pro用にショルダーバッグを用意しました。これは大きさはかなりのものなのですが、マチに余裕がないので、ショッピングバッグとしては使えません。なので、携帯用のショッピングバッグを使うことにしました。
国立市内だと、紀伊國屋さんや三浦屋さんのバッグをショッピングバッグとして利用している人をたくさん見かけます。でも、自分としてはいろいろなお店に行くので、特定のお店の名前入りのバッグはちょっと敬遠したいところ。無地で目立たない感じのものをということで、無印良品で「買物ポケッタブル・小」のカーキ色を税込み525円で買ってみました。
半年ほどこれを使ってみましたが、なかなかいいです。折りたたむと、お札やコインが少し多めに入ったお財布くらいの大きさで、ショルダーバッグの中にしのばせておく分には、邪魔になりません。でも、拡げるとかなりの量が入ります。大根の葉っぱははみ出てしまいますが、蕪の葉っぱならちょうど隠れるくらいの深さです。また、たくさん買って重くなっても、スーパーのレジ袋より手で持つところが幅広くつくってあるので、手に食い込まずいい感じです。
通勤の途中には、採れた野菜を直売している野菜畑がいくつかあります。泥付きの蕪や大根なんかを買って帰ることも多いのですが、このバッグの一番いいところは、泥で汚れても水洗いができるところです。ナイロン製で干しとけばすぐに乾くし、とても重宝しています。
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2008年5月11日日曜日
5月のレイノー現象
今日は昼過ぎに買い物に出かけました。外に出てみると小雨が降っていて、かなり肌寒く感じます。しばらく歩いていると、右の親指や足がしびれるように疼き始めました。右の親指は死斑のような紫色で、他の指は血の気がなくなって見えます。Raynaud(レイノー)現象です。
レイノー現象は手足の血管が収縮して蒼白になったりチアノーゼを呈し、痛みなどを来す変化です。私は日本人で黄色人種なので、蒼白というより少し黄色みがかった白になります。いろいろな病気に伴ってみられることもありますが、私の場合には特に基礎疾患はないのだと思っています。
冬だとけっこうの頻度でこのレイノー現象を経験するのですが、5月の中旬になっているのに、屋外に出るだけでこんな風になるとは、少し驚きました。今週の外来に来た患者さんの中には、まだこたつをつかっているという高齢者がいましたが、そちらのお仲間にはいりつつああるのかも知れません。
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レイノー現象は手足の血管が収縮して蒼白になったりチアノーゼを呈し、痛みなどを来す変化です。私は日本人で黄色人種なので、蒼白というより少し黄色みがかった白になります。いろいろな病気に伴ってみられることもありますが、私の場合には特に基礎疾患はないのだと思っています。
冬だとけっこうの頻度でこのレイノー現象を経験するのですが、5月の中旬になっているのに、屋外に出るだけでこんな風になるとは、少し驚きました。今週の外来に来た患者さんの中には、まだこたつをつかっているという高齢者がいましたが、そちらのお仲間にはいりつつああるのかも知れません。
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2008年5月9日金曜日
ジャスミン
いま時分はバラの他にもたくさんの花が見られます。自宅に花を植えたりなどしてはいないのですが、植物を見るのは好きなので、通勤に歩くのも楽しい頃です。ふだんは全く気付かないのに、この季節にだけは目立っている植物も少なくありません。
そんな花々の中でも、ぼーっと歩いていてもその存在をアピールしてくれるのがジャスミンです。ジャスミンは、花自体はそれほど目立つわけではありませんが、香りでかなり遠くからも気づき、どこに花があるのかなと探してしまいます。
花屋さんでは小さな鉢植えにして売っていることが多いと思います。なので、小さな植物なのかなと思っていたのですが、あるお宅の生け垣のジャスミンは、電柱にまきついて私の背丈よりはるか上の方まで伸びていました。かなり大きくなるつる植物なんですね。
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2008年5月7日水曜日
バラが咲いた
連休が終わって、今日から出勤です。久しぶりに職場への道を歩いたわけですが、ちょうどバラが咲き始めていました。お花屋さんの店先では、年中バラの花が陳列されていますが、屋外のバラは今がシーズンのようです。
私の通勤の途中にもお庭の生け垣にバラを咲かせ、通る人の目を楽しませてくれているお宅はたくさんあります。その中でも、一番すてきなバラはこのお宅かな。
赤いバラや深紅のバラもすてきですが、生け垣にたくさん咲いている姿は、こういった黄色がお似合いです。黄色いバラでも、もう少し薄い黄色でピンク系のふちどりのバラもありますが、この素直な黄色の方がいい感じ。毎年きれいに咲いていますが、お手入れも大変なんでしょうね。
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私の通勤の途中にもお庭の生け垣にバラを咲かせ、通る人の目を楽しませてくれているお宅はたくさんあります。その中でも、一番すてきなバラはこのお宅かな。
赤いバラや深紅のバラもすてきですが、生け垣にたくさん咲いている姿は、こういった黄色がお似合いです。黄色いバラでも、もう少し薄い黄色でピンク系のふちどりのバラもありますが、この素直な黄色の方がいい感じ。毎年きれいに咲いていますが、お手入れも大変なんでしょうね。
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2008年5月6日火曜日
祝日のゴミの収集
今年の5月の連休はまとまった休みが取りにくいので海外旅行をする人の数が減っていると、TVのニュースが報じていました。医療機関は暦通りにお休みしますから、私の場合は5月3-6日の4連休でした。4連休でも充分にまとまったお休みです。でも、今日5月6日がお休みなのは何故なんでしょと思って調べたら、 Wikipedia に説明がありました。
私の住んでいる立川市は、祝日や休日(今日5月6日は振り替え休日)でもゴミを収集してくれます。ゴミの収集がお休みになるのは、土日と第5水曜日と年末年始の時だけです。祝日でもいつも通りに収集してくれるのは、生ゴミのことなど考えるとありがたいかぎりです。ただ、朝寝坊すると収集車が行ってしまうので、お休みの日でもいつも通りの時刻に起きることになってはしまうのですが。
私の住んでいる立川市は、祝日や休日(今日5月6日は振り替え休日)でもゴミを収集してくれます。ゴミの収集がお休みになるのは、土日と第5水曜日と年末年始の時だけです。祝日でもいつも通りに収集してくれるのは、生ゴミのことなど考えるとありがたいかぎりです。ただ、朝寝坊すると収集車が行ってしまうので、お休みの日でもいつも通りの時刻に起きることになってはしまうのですが。
2008年5月4日日曜日
韓国戦争 第一巻
韓国国防軍史研究所編 かや書房
本体2500円 2000年9月発行
韓国で1960-70年代に11巻本の全集として発行された朝鮮戦争戦史に、その後の新資料を加えて一般向けに3巻本として出版されたものが元本です。朝鮮戦争勃発50周年にあわせて、日本では6分冊で出版されたものの1冊目です。副題に、人民軍の南侵と国連軍の遅滞作戦、とついています。
第一章は戦争の背景と銘打って、朝鮮の開国から日本統治、日本の敗戦から南北分断後の事情を説明しています。北側はソ連からの武器援助と、国共内戦に参戦した経験のある軍人の帰国とで軍備を充実させることが出来ました。それに対して南側は、北への侵攻を危惧するアメリカの意向により戦車や有効な対戦車兵器などを所有することができず、また南領内での反乱鎮圧などにも力をそそがなければならず、装備だけでなく訓練も不十分なままだったそうです。
韓国軍は1949年のうちに北からの南侵戦争を予想していました。特にそれが切迫していると思われた1950年の4月以降は、警戒態勢をとる日々が2ヶ月弱続きました。しかし、本当の侵攻がなかったので、警戒態勢を解き、兵士に休暇が与えられたタイミングで、奇襲を受けることになりました。本書にいう通り、計画された南侵戦争だったことを疑う人はいまではいないでしょうね。
その後は、ソウルの失陥から、遅滞戦闘を行いながら後退せざるを得なかった事情が、各地域ごとに説明されています。そういった記述自体には、特に新たな発見を感じさせる本ではありませんでした。
また、記載が不十分と感じるところもありました。たとえば、南侵奇襲され38度線の防衛戦が突破された際に、漢江の北側にあるソウルの防衛を放棄して、漢江の南側で防衛戦を行おうという意見が韓国軍内にはあったそうです。しかし開戦時の韓国軍参謀総長だった蔡秉徳少将は、それに反対してソウル防衛のために兵力の逐次投入を行い、結果として6月28日にはソウル失陥と、ソウル市内の装備の大量喪失を招きました。その後、読み進めると7月3日の項では参謀総長が丁一権少将になっています。蔡秉徳少将は責任とって辞任したのかそれとも解任されたのかなのでしょうが、その事情が一切書かれていないのは、非常に不自然に感じられました。
巻頭の、「日本語版の発刊によせて」はあの白善燁大将が書いています。そこには、「いまの日本のとくに若い方々には、国土が戦場になることはどのようなことか、また同族相争う戦いの悲劇とはどのようなことか理解できないかも知れない」と書かれていて、本当にその通りだと思います。
軍隊のことはおいといて、敵の軍隊が迫ってきた時に南に逃がれようとした人々はどうやって逃げそしてどうなったのか、戦場・占領地に暮らすことになった人たちは毎日どうやって食料・日常必需品を手に入れていたのか、仕事や収入源はどうしていたのか、などなどが私の知りたいことでした。自国内のでの戦争の際には、これらはとても切実な問題だと思うし、こういった点で国民を保護するのが軍隊の役目だとは思うのですが、これらについてはほとんど何も語ってくれてない本でした。
2008年5月2日金曜日
中国的天空 下
中山雅洋著 大日本絵画
本体4500円 2008年4月発行
1月に読んだ中国的天空の下巻として出版されました。フライングタイガースの名前は有名なので知っていましたが、実態がどんなものか知らなかったので、読んでみました。
上巻は零戦の搭乗で中国空軍が壊滅状態になったところで終わっていました。その対策として、蒋介石はアメリカで傭兵を募ることをシェンノート(陳納徳)に依頼しました。これがフライングタイガース(飛虎隊)です。 彼ら自身はAVG(American Volunteer Group)と呼称していたそうです。1940年10月に編成が開始され、1941年12月のビルマ戦から戦闘に従事したそうです。
陳納徳はP-40という戦闘機の特性を活かして、格闘戦ではなく2機でロッテを組み一撃離脱戦法を徹底するように指導しました。この結果、フライングタイガースは中国で赫々たる戦果を挙げたと喧伝されていますが、実態としては日本陸軍航空隊といい勝負だったようです。
AVGは1942年7月には解散してアメリカ空軍が派遣され、またインドで養成された中国人飛行士をもとにした中国空軍が復活して、その後の空の戦いを続けました。そして、1943年には中国戦線でも航空戦で日本が不利になり、敗戦に。
敗戦後に中国に残って医療活動に従事した医師や看護婦のことは、身近に体験者がいるので知っていましたが、満州にいた航空部隊が1946年春から紅軍の航空部隊の創設に従事したエピソードもあったそうで、興味深く読めました。どちらの活動に従事した人の中にも日中友好協会に参加している人がいるなど、帰国後の対中感情は悪くないようです。
この点、シベリア抑留とは対照的で、中国の人は人材活用法をよくわきまえているというべきなのでしょうね。今、日本にも外国から働きに来ている人がたくさんいます。住み着くつもりの人は別として、出稼ぎの人が帰国した後に日本を好きになってくれるかというと、なかなか難しいと思われ、この点では中国の人に学ぶ点がありそうです。
著者はパイロットの資格を持つ医師だそうです。この本を書くには日米中の史料あさりと、読みこなしてまとめる膨大な作業が必要だったろうと思います。本業の傍ら、こういった労作をまとめる努力には本当に感心します。
2008年5月1日木曜日
専門書のお値段
The Great Divergenceを買った時に改めて感じたことですが、英語で書かれた専門書はとても安いのです。日本語の本と違って、英語の本を読む人は世界中にたくさんいて、たくさん売れるから安くできるってことでしょうか。
英語の専門書といえば、学生の時に友人が韓国土産で買ってきてくれたNelsonのTextbook of Pediatricsが最初でした。海賊版だったので2000円しなかったそうです。あと、Harrison’s Principles of Internal Medicineの二分冊版を持ってる人がいて、その人はポリクリの学生控え室に置きっぱなしにしていたので、暇な時にちょくちょく拾い読みさせてもらってました。
研修医になった時にはCecil Textbook of Medicineを買いました。暗めの赤い装丁で、第17版くらいだったでしょうか。受け持ちになった症例をとっかかりにして読み始め、2年間で一冊ほぼ全部読んだと思います。学生の時に読んだハリソンと比較してみると、少なくとも当時の版では、セシルの方がずっと内容豊富で読みやすいと感じました。今はどうなのか知りませんが。
でも、ハリソン・セシルどちらにしても、英語の教科書は疫学から病態生理・診断・治療などなどとても充実していて、日本の教科書と比較すると格段の差がありました。細菌性髄膜炎の症例を担当した時に痛感したのですが、セシルでは細菌性髄膜炎が12ページも記載されているのに対して、日本のある内科の教科書は2.5ページしか記載がありませんでした。しかも1ページあたりの文字数・情報量はセシルの方が多いので、勝負になりません。
最新版の価格をAmazoneで調べてみると、第23版のCecil Textbook of Medicine(3120ページ)は15188円・外貨参考価格140ドルなのに対して、日本の代表的な内科の教科書である新臨床内科学(2234ページ)は21000円です。外国人が読むことにも充分に配慮していると思われ、とても平易な英語で書かれているので、学生や研修医の人が教科書を買うなら、まずは英語の本を買った方がお得ですしおすすめです。
ただ、セシルやハリソンだけでは不十分な点もない訳ではありません。日本の医療に関する法律や保険制度に関することなどは別に日本の本を参照しなければなりませんが。また、私が勉強した頃のCecilでは、主にヨーロッパ系のアメリカ人を対象とした記載がされていて、人種差が問題となる際にはアフリカ系のアメリカ人について併記される程度でした。
アジア系の人もアメリカには少なからずいるものと思われますが、当時の版ではアジア系の人やnativeの人に対する記述はほとんどなかったように記憶しています。ヨーロッパ系のアメリカ人に比較して日本人に特に多い疾患や、薬物療法での投与量や副作用など、日本人に特徴的な問題もたしかに存在するので、読む上でその注意は必要でしょうが。
和書を買うのにアマゾンをつかったことはないのですが、こういう洋書のオーダーにはいいですね。The Great Divergenceもオーダーした次の日には発送され、その次の日に到着しましたし。
英語の専門書といえば、学生の時に友人が韓国土産で買ってきてくれたNelsonのTextbook of Pediatricsが最初でした。海賊版だったので2000円しなかったそうです。あと、Harrison’s Principles of Internal Medicineの二分冊版を持ってる人がいて、その人はポリクリの学生控え室に置きっぱなしにしていたので、暇な時にちょくちょく拾い読みさせてもらってました。
研修医になった時にはCecil Textbook of Medicineを買いました。暗めの赤い装丁で、第17版くらいだったでしょうか。受け持ちになった症例をとっかかりにして読み始め、2年間で一冊ほぼ全部読んだと思います。学生の時に読んだハリソンと比較してみると、少なくとも当時の版では、セシルの方がずっと内容豊富で読みやすいと感じました。今はどうなのか知りませんが。
でも、ハリソン・セシルどちらにしても、英語の教科書は疫学から病態生理・診断・治療などなどとても充実していて、日本の教科書と比較すると格段の差がありました。細菌性髄膜炎の症例を担当した時に痛感したのですが、セシルでは細菌性髄膜炎が12ページも記載されているのに対して、日本のある内科の教科書は2.5ページしか記載がありませんでした。しかも1ページあたりの文字数・情報量はセシルの方が多いので、勝負になりません。
最新版の価格をAmazoneで調べてみると、第23版のCecil Textbook of Medicine(3120ページ)は15188円・外貨参考価格140ドルなのに対して、日本の代表的な内科の教科書である新臨床内科学(2234ページ)は21000円です。外国人が読むことにも充分に配慮していると思われ、とても平易な英語で書かれているので、学生や研修医の人が教科書を買うなら、まずは英語の本を買った方がお得ですしおすすめです。
ただ、セシルやハリソンだけでは不十分な点もない訳ではありません。日本の医療に関する法律や保険制度に関することなどは別に日本の本を参照しなければなりませんが。また、私が勉強した頃のCecilでは、主にヨーロッパ系のアメリカ人を対象とした記載がされていて、人種差が問題となる際にはアフリカ系のアメリカ人について併記される程度でした。
アジア系の人もアメリカには少なからずいるものと思われますが、当時の版ではアジア系の人やnativeの人に対する記述はほとんどなかったように記憶しています。ヨーロッパ系のアメリカ人に比較して日本人に特に多い疾患や、薬物療法での投与量や副作用など、日本人に特徴的な問題もたしかに存在するので、読む上でその注意は必要でしょうが。
和書を買うのにアマゾンをつかったことはないのですが、こういう洋書のオーダーにはいいですね。The Great Divergenceもオーダーした次の日には発送され、その次の日に到着しましたし。
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