秋は気温の差が大きい季節ですね。一日のうちで日中は暖かくても朝晩は涼しいということもあるし、日々の気温の違いもかなりのものです。先週の月曜日はかなり涼しい日でした。往診に行くとこたつが出ていたり、石油ストーブをつかっていたお宅も一軒ありました。私もその頃まではタオルケットと毛布を重ねてかけて寝ていたのですが、夜中に寒さで目覚めて、あわてて布団を押し入れから出した記憶があります。
その後は暖かい日もあったりして、日中は半袖でもいいくらいの日も少なくありません。すると今度は布団をかけていると夜中に暑くて目覚めたり。この季節になると寝汗をかいて心配だということで受診する方を見受けます。結核などで寝汗を症状とすることもまれにはあるのですが、かけている布団が多すぎる方がほとんどだと思います。
ふつうの人の場合には、暑いと感じれば自分でかけている物を調整できるのでいいのですが、寝たきりの方などでは、かけてある布団が多すぎることが問題となることがあります。体を動かして布団をはいだり蹴っ飛ばしたりできるレベルならばいいのですが、それも出来ない人の場合には、体温が上がってしまうこともあります。自宅で寝たきりの方を介護している人は基本的に優しい方たちで、「寒くないように」とお考えの方が多いようです。でも、「暑すぎないように」という心遣いも必要なのです。
訪問診療を20年近く続けてきてみて、「寒くないように」という心遣いをする介護者は多いのに、「暑すぎないように」という注意も必要なのだということには、訪問看護師など専門家からのアドバイスがないと気づいていない方が少なくありません。これって、ちょっと不思議。「寒くしていると風邪をひく」という誰でも知っている言い伝えが影響しているのでしょうが、医療に携わっているとこんな風に文化の影響を感じることがあります。
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