鵜飼保雄他編著 悠書館
2010年12月発行 本体4500円
穀物、野菜、イモ、果物からバラまで、21の作物の品種改良の歴史が紹介されています。エピソードをいろいろとりまぜて私のような素人が気軽に読めるように工夫されています。
580ページもある本ですが、取りあげられている品種の数が多いので、詳しい専門的な記述がされているわけではありません。しかし、私の無知を反映して、あらたに学んだことがたくさんあります。例えば、イネでいえば中国で開発された直立穂の品種。普通のイネは実れば頭を垂れますが、直立穂は実がついても立ったままで、1ヘクタールあたり12トンという驚異的な多収をもたらしてくれるのだそうです。その写真が収められていますが、異形のイネといった印象でした。また、大麦の裸麦の裸の由来は知っていましたが、二条大麦と六条大麦の違いはこの本で学びました。トマトの品種改良で一平方メートルあたり30kgが実現していて、最終的には100kgが目指されているなんてことも初めて知り、果実だから水分込みだといえ、その多さにびっくりしました。
などなど、面白く知識が得られる本です。昨年読んだ、鉄道の世界史と同じ出版社から出されたもので、編者あとがきには同じシリーズの本だと書かれてありました。両方とも肩がこらずに読める本で、おすすめ。
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