2008年9月13日土曜日
増補 皇居前広場
原武史著 ちくま学芸文庫
2007年12月発行 本体950円
2003年に光文社新書の一冊として出版されていたものです。「大正天皇」とか「可視化された帝国」とか面白い本を書く人の本だし、当時タイトルを見て興味は持ったのですが、なぜか手には取りませんでした。今度、ちくま学芸文庫で出てたので、読んでみました。
東京生まれの東京育ちですから、何度か皇居前広場には足を運んだことがあります。芝生があって、楠木正成の銅像があって、鳩がいっぱいいて、はとバスや外国人の観光客がぽつぽつといて、あまり混雑していない、お天気のいい日におにぎりでも食べるのに最適な場所っていう印象です。芝生の植え込み一枚一枚がとても広かったり、金属柵が大仰だったり、松がまばらに生えているだけで大きな建物や植え込みなどがなく遠くまで見透せるなど、ふつうの公園とは違った感じも受ける場所です。
でも、血のメーデー事件をはじめ、明治以来、いろいろな式典が実施された歴史があるそうです。ただ、諸外国の天安門広場・光化門広場・赤の広場などとは違って、積極的に広場として整備されて使われたという感じではなく、「空虚な中心」「打ち消しのマイナスガスが立ち込め」ている場所なのだとか。
戦前は宮城前広場と呼ばれ、当たり前ですが、戦後になって皇居前広場と呼ばれるようになったんですね。ウエブで皇居前広場を検索してみると、ここを管理している環境省皇居外苑管理事務所では、皇居前広場ではなく皇居外苑と呼んでいました。
占領期には、夜間ここが愛の空間になっていたそうです。空襲でたくさんの家が焼かれて住宅事情が最悪の時期、ラブホテルにあたる施設も充実してはいなかったでしょうから、青姦(夜だから黒姦か)が流行したってことでしょうか。
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