毎日歩いているみなれた風景の中に、その真っ赤な花を見かけると秋を実感する。細い緑の花茎が成長している間はちっともその存在に気づかず、開花が突然のように感じられる花だからなおさらだ。ふつう目にするのは赤い花だが、今年は府中市内で初めて白いヒガンバナを見ることもできた。
花のある時には葉のないヒガンバナ、一ヶ月たってどうなっているか見てみると御覧の通り、短めの葉が生えそろい、花茎の方は枯れかけている。花はもともと種子をつくるために咲くはずのものだが、その種子に栄養を供給する葉が生えそろう時期に花茎が枯れてしまうのは不思議な感じがする。日本にあるヒガンバナは3倍体で種子ができないとのことだが、不稔の花には栄養が送られないようにするためにわざと花茎を枯らしてしまうのだろうか。
種子のできない日本のヒガンバナは球根で分布を広げるとのこと。田んぼのあぜ道などに植わっている光景はとてもリーズナブル。Wikipeiaによると、水田の畦に多いのはネズミ、モグラ、虫などがその鱗茎の毒を嫌って避ける(忌避)ように人手によって植えられものが多い、とのこと。
でも街の中でもいろいろなところで目にする。この写真は歩道の街路樹(サクラ)の根元。また公園の植え込みの中だとか中学校の敷地のすみっこなんかで見かけたこともある。小動物を忌避するために植えられたとも思えず、その花を愛好する人がそっと球根を植えて広めているのかも知れない。
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