2007年10月15日月曜日

ブローデル歴史集成第3巻 日常の歴史



藤原書店 本体9500円 2007年9月刊

700ページを超える大冊で、前の二巻よりもかなり厚くなっています。しかも内容的には前の二巻よりも取っつきにくい感じです。というのも、フランスの歴史・歴史教育に関する文章や、書評、フランスなどの歴史家の追悼文などが多数含まれているからです。もともと晦渋な文章のブローデルですが、この第3巻に登場する歴史家で一冊でもその著作を読んだことのある人は数名しかいないので、ちと話についていきにくい状態でした。でも、方法的にも絶賛されるものかと思っていたグベールの歴史人口学序説に対する評価などは、そういう見方もあるのねと感心させられます。

ブローデルはブラジルの大学で教職に就いていたことがあるそうで、南米・ブラジルについての文章はおもしろく読めました。また、異端として始まり正統として評価されるようになるまでのアナール派の経緯などについての文章も含まれているのですが、とても興味深いものです。

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