2008年2月17日日曜日

早生まれは多い

外来での仕事の一つに、基本健康審査で受診する方の診察があります。基本健康審査は、老人保健法で提供されている満40歳以上の方向けのサービスで、無料の自治体健診と思ってもらえればいいかと思います。2008年4月以降は制度が変わって残念ながら廃止されてしまいますが、この無料の市民健診を受ける人の数ってかなり多いのです。

市によって、健診を受けられる期間をX月からX月までと指定している場合と、お誕生月(とその前後)に受けられるようにしている場合があります。私が仕事している市の多くは、誕生月に受けられるようになっています。

この誕生月方式の市民健診をしていると気付くのですが、 夏・秋生まれに比較すると早生まれの人ってとても多いんですよね。冬場はインフルエンザや風邪なんかの患者さんも多いのに加えて、この健診受診者が増えるので外来は大繁盛。

ある診療所の40歳以上の患者さん5100名あまりの生まれ月を調べてみたところ、図のような結果でした。最多の1月は最小の6月の2倍近くなっています。

こんな風に月によって誕生日の人数が大きく異なる理由はいくつかあります。まず、昔の人には1月1日生まれとされている人がかなり多いのです。きっと 数え年という習慣があったからなのでしょうね。なので11月・1月より12月が少ないのは、本当は12月生まれなのに1月1日と届けられているからだと思われます。

また、農繁期を避けるように子供が生まれる月が選択されたとか、3月卒業後の結婚が多いからだとの説を読んだこともあります。でも、これだとこのグラフのようにはならないような気がします。

そこで、私が考えたのは、昔は冷暖房がしっかりしてなかったことが影響しているだろうということです。夏のムシ暑い時期には、肌と肌を接触する機会が減って、妊娠数も減っただろうと思うのですよね。冬はくっつきたくなったでしょうから、寒い頃に仕込まれた子供は多くなったでしょう。最近の月別の出生数は、昔のような月ごとの差がずっと減って生きているそうなので、これを裏付けてくれているんじゃないでしょうか。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

最近は、産休・育休、保育園への入園可能確率などにより、4月~6月生まれの子供が多い気がします。保育園は4月の一斉入園でないとなかなか入れないので、仕事を持つ母親にとっては死活問題ですからね~…。
何年か経つとグラフも変わるのでしょうかね…。

somali さんのコメント...

早生まれでググると、早生まれだと受験に不利なのではといったページが多いようですし、また、知り合いの看護師さんには公立保育園の入園募集に合わせて子供の生まれる月をきめたという方がいました。私は小児科医ではないので実感はありませんが、最近の状況はおっしゃるとおりなんでしょうね。