2008年7月16日水曜日

竹島なんて、いらない

昨日の新聞などの報道をみると、竹島問題を学習指導要領でとりあげることに韓国の側からは反発があったとのことです。日本が現在抱えている領土問題には、この竹島の他にもロシアとの北方領土、中華人民共和国・中華民国との間の尖閣諸島がありますが、これらの中で一番争う意義に乏しいのが竹島でしょう。

なんと言っても竹島を実効支配しているのは韓国です。北方領土の日ソ共同宣言にあたるような合意も一切存在しないわけで、いくら日本国内で勇ましい言動をとってみても、韓国が竹島を日本の領土として譲り渡してくれる見込みはゼロだと思います。まともな政治家や外交官なら、それを理解できないなんてことはないはず。

それなのに竹島問題を政治家・マスコミが煽り続けるのは何故なんでしょう。いつの日にか韓国と戦争したいのでしょうか?日本国憲法では国権の発動たる戦争行為は禁止されていますから、竹島という日本国固有の領土に対する外国軍隊の占有状態に対する自衛のための行動として、いつの日にか自衛隊が出動させたいとか。まさかね。

ナショナリスティックな世論に配慮してでしょうか。でも、竹島問題に関するナショナリズムの発現は、無責任なマスコミの言説の影響が大でしょう。大新聞やNHKなどのマスコミがナショナリズムを煽る行為をやめれば、現状よりはずっと沈静化するはずです。

経済的な問題を重視してのことでしょうか。竹島に対する領土の主張を引っ込めれば、日本海における専管水域が狭くなってしまうのは確かです。しかし、 実効支配していない竹島周辺の海域で、漁業以外に何らかの利益ある経済行動がとれるとも思えません。直接の利害をもつ漁業関係者には、金銭で解決がつきそうなものです。

まあ、冷静に考えてみれば、竹島に対する領土としての主張を続けても、得られるものはほとんどなかろうというのが私の考えです。どうせちっぽけな島一個なんだし、韓国の領土として認めて、韓国との間で紛争が少ないようにしておく方が望ましいと思うのです。というのも、北朝鮮の核問題に関する6カ国協議のように、東アジアには懸案を話し合うような場がこれからも設置されるでしょう。そして、すぐにEUやASEAN並みとは行かなくとも、ゆくゆくは何らかの機構が常置されてゆくでしょう。そんな場での主役は、間違いなく中国になります。

ただ、中国が主導権を握るにしても、日本の主張を中国に是非とも受け入れさせたい状況だってきっとあるんだと思うのです。そんな時に、一緒に説得に当たる国としては韓国が最適です。東アジア諸国の中で自由主義の経済的な先進国として利害の一致しそうな国は韓国と台湾になります。ただ、台湾には別の意味で問題があるので、中国と上手に付き合うためには韓国との協調を重視することが必要となるわけです。

もしかすると日本人の中には韓国嫌いの人も少なくないのかもしれませんが、政治家・ジャーナリズムには好き嫌いより国益重視で国民をリードする言動を望みたいものです。鶏肋に未練を残すことなく。

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